【名古屋市中村区】「経営・管理」ビザの取得条件とは?

名古屋市中村区は、多彩な文化が交差する活気に満ちたビジネスエリアとして知られています。この地域で事業を展開したい外国人起業家にとって、経営管理ビザの取得は極めて重要なステップとなります。本記事では、行政書士が経営管理ビザの本質、申請要件、必要書類、そして名古屋市中村区での申請プロセスを詳細に解説いたします。

谷崎健斗プロフィール画像
監修者
谷崎 健斗
代表行政書士
出身:愛知県名古屋市中村区
2017年青山学院大学法学部を卒業後、服飾業界にて約6年間勤務
2023年度行政書士試験に合格し、2024年7月に開業
在留資格や外国人雇用に関する法的手続きを専門とする行政書士。会社員時代の経験を活かし、企業の人事部門と外国人従業員の双方の視点を理解した上で、適切な助言と手続き支援を提供しています。在留期間更新許可申請をはじめとする各種申請手続きに精通し、名古屋市中村区を中心に活動しています。クライアントの皆様に、安心で確実な法的サポートを提供することを使命としています。
目次

「経営・管理」ビザとは

「経営・管理」の在留資格は、「本邦において事業の経営を行い又は当該事業の管理に従事する活動」と定義されています。つまり、外国人が日本で事業を経営・運営するための在留資格になります。

具体的には、会社の代表取締役や、会社の管理職などが該当します。このビザにより、例えば外国人起業家は次のような活動が可能になります。

  1. 新規事業の創設と経営
  2. 既存の日本企業への経営参画
  3. 日本企業における管理職としての就労
  4. 日本において事業を行っている者に代わってその経営や管理に従事する活動

この「経営・管理」ビザの特徴として、年々審査が厳しくなってきていることが挙げられます。というのも、このビザの審査基準には学歴や職歴の要件がないため、単なる移住目的や、日本で先端医療を受けるためなど、本来の「経営・管理」ビザが定義していない活動を行う者が増え、社会問題化してしまったことが背景にあります。

「経営・管理」ビザを取得するためには?

名古屋市中村区で経営管理ビザを取得するには、以下の条件を満たす必要があります。

1. 事業所の要件

事業所について、基準省令では「申請に係る事業を営むための事業所が本邦に存在すること。ただし、当該事業が開始されていない場合にあっては、当該事業を営むための事業所として使用する施設が本邦に確保されていること」と記載されています。つまり、日本国内に実体的な事業所がある、もしくは確保されている必要があります。

また、もう少し深堀りして考えていくと、事業所が認められるためには、継続的に事業を行うことのできる物理的なスペースを用意する必要がある、ということになります。例えば、以下のような事業所は認められないため注意が必要です。

  • 登記上の住所や電話転送だけを利用するバーチャルオフィス
  • 1つの部屋を他の事業者と共有するシャアオフィス
  • 居住用スペースと事業用スペースが明確に分けられていないオフィス
  • 賃貸契約書にある使用目的が住居用と記載されている
  • 事業規模と従業員数に見合った適切な広さがないオフィス
  • 事業所内にパソコンなどの設備が完備されていない(事業所の写真を提出した場合)

2. 事業規模の要件

基準省令には、事業の安定性と持続可能性を証明するために以下のいずれかの要件を満たす必要があります。

日本に居住する職員を最低2名、常勤で雇用すること

就労ビザで在留している外国人はこの数に含まれないことに注意が必要です。数としてカウントされうるのは、居住資格(日本人、日本人の配偶者等、永住者、定住者、永住者の配偶者等の在留資格)をもつ者のみになります。

資本金の総額が500万円以上であること

資本金または出資の総額が500万円以上であることもひとつの要件とされています。

審査としては、その500万円の詳しい経緯、つまり詳細な資産形成(お金の出所)をかなり厳しく審査される傾向にあります。背景として、過去に言わゆる見せ金(一時的に銀行に入金し、審査後すぐに銀行から引き出すこと)が横行したため、資本金の資産形成過程は特に厳しくチェックされるようになりました。

例えば、借り入れであれば、貸主との間の借用書振り込みの明細返済予定表、親族から借りた場合は親族の関係を証明する書類などかなり細かい書類が要求されます。また貸主に十分な資産形成能力があるかどうか(貸主の住民税課税納税証明書など)もチェックされます。

自己資金の場合でも、確定申告書や給与明細、物を売って資金調達した場合はその売買契約書などを用いて資金調達の過程を証明する必要があります。

いずれにしても、その資金が合法的に用意されたものかどうかを明確に示さなければなりません。

3. 事業の適正性・安定性・継続性

最近の審査では、新規事業立ち上げの場合は特に、資本金形成過程に加えて、精度の高い事業計画書も求められる傾向にあります。

この事業計画書では

  • 具体的であり、かつ実現可能性が高いこと
  • 安定的な収益モデルであること
  • 長期的な事業継続の見通しがあること

などを様々な資料を用いて主張していかなくてはなりません。具体的には、綿密な収支のシミュレーション、2~3年間の売り上げ見込み、仕入れルート・販売ルートなどを示す売買契約書の写しなどを盛り込んで作成します。

4. 申請者の資質

経営管理ビザの申請者本人にも、実務上以下のような経験・資質が問われる場合があります。特に最後の3つは、具体的に要件として定められているわけではありませんが、審査の方針として「継続性・安全性」があるかどうかを考慮した場合、申請がいくら要件に当てはまっていても、現実的に来日経験も事業経験もない場合、その継続性・安定性に疑義があるとして認定不交付になる確率は非常に高いです。

  • 経営または管理における3年以上の実務経験 (「管理」に従事しようとする場合)
  • 来日経験があるか
  • 本国での事業経験があるか
  • 基本的な日本語でのコミュニケーション能力があるか

まとめ

名古屋市中村区で経営管理ビザを取得することは、外国人起業家が日本でビジネスを展開する上で重要な機会となります。申請には複雑な条件や手続きがありますが、行政書士などの専門家と綿密な計画を練ることで成功への道が開かれます。

起業を目指す外国人起業家の皆様にとって、名古屋市中村区は可能性に満ちた地域です。当事務所がこの地域で事業を経営するサポートができたら幸いです。

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